どこでもGAME&WATCH ~ゲームウオッチ全機種紹介~

日本で発売された任天堂「ゲームウオッチ」をご紹介いたします

【第12作】 FP-24 シェフ

発売日 昭和56(1981)年9月8日
ワイドスクリーンシリーズ
本体色 ワインレッド
発売価格 6,000円
2012年現在の中古品参考価格 6,000円
(中程度、本体のみ)

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アクロバティックな調理場

 これまでの危険シリーズはどこへやら、ポパイに続く平和シリーズです。
 といっても、この現場がまたすごい。「調理中にコックが自分を残してみんないなくなってしまいました。さあ料理を続けてください」という無理ありすぎる設定。食材を3種類(GAME Bでは4種類)フライパンで放り投げて、コックを左右動かしながら食材を受け止め続ける厳しい現場なのです。
 食材を床に落とせば、ナイフとフォークを手に持ち待機しているネズミに持っていかれてしまい、ミスになります。
 食材もただ放り投げているだけではありません。高さも色々変わりますし、一番左端にはネコがフォークを突き刺して食材を落とすタイミングをずらしてきます。これはパラシュートの時のヤシの枝に引っかかるのと同じパターンですね。


ネコにネズミに不衛生極まりない

 しかし、ネコやネズミが調理場にいるレストランっていかがなものかと。食品衛生上問題ありすぎです。ミスマークは喰ってやった感まるだしのネズミです。
 ネコは辛うじてカゴに入っていますが、突如身を乗り出してフォークを突き刺してきます。全くカゴの意味をなしていません。しかも突き刺しながらこいつもやったった感まるだしです。コックの慌てっぷり以上にこの2匹の表情がインパクトあります。
 キャラクターで際立つのがもう1つ。アラームキャラクターがアラームケトル、何とやかんです。昔、私の家にもありました。沸騰したらピーピー鳴るやかん。アレなんです。アイデアが秀逸すぎます。シリーズ随一のアラームキャラだと思います。
 設定は今回も突っ込みどころ満載ですが、細かい描写はさすがゲームウオッチです。


受け止め系ゲームの集大成

 本作までにゲームウオッチではいくつかの受け止め系ゲームが登場しました。ファイアに始まり、パラシュート、ポパイ。本作はこれらの集大成と言えるでしょう。
 フライパンで食材を跳ね返すアイデアはファイアから、ネコに時間差攻撃させるアイデアはパラシュートから。落ちる食材に時間差をつけるアイデアはパラシュートやポパイから。まさにこれまでのノウハウが結集された作品です。
 点数は1つ食材を跳ね返すごとに1点、最高得点は999点。ミスクリアも200点と500点で設けられています。


名作が続くワイドスクリーン

 ゲームウオッチの第2期黄金期を締めくくるシェフですが、個人的には苦手なゲームの1つです。あのネコの野郎に踊らされて、右端の骨付きチキンまで間に合わないんですよ。
 それまでの受け止めゲームが3列だったのに対し、GAME Bの4列はほんと過酷です。パニック度合はボールやバーミンの後半を上回るのではと思います。
 とはいえ、名作には違いなく、私も大切にしている機種です。


愛されて移植されまくり

 このシェフもすごいです。DSソフト「DSお料理ナビ」で料理の待ち時間にプレイできたりします。また、DSiウェアでも配信されています。実物も素晴らしいですが、DSでも同様にシェフの世界観を味わえます。
 ネコ野郎!マウスめ!と叫びながらプレイしてください。そういや次作もマウスだっけか、マウスめ!

※注 ニンテンドーDSiウェアを含むニンテンドーDSiショップは平成29(2017)年3月にサービスを終了しています。