どこでもGAME&WATCH ~ゲームウオッチ全機種紹介~

日本で発売された任天堂「ゲームウオッチ」をご紹介いたします

【第18作】 OP-51 オイルパニック

発売日 昭和57(1982)年5月28日
マルチスクリーンシリーズ
本体色 ホワイト
発売価格 6,000円
2012年現在の中古品参考価格 4,000円

(中程度、本体のみ)

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☆ マールチ マルチ♪ ってCMが印象的


 いやー、ついに出ました。コンパクトケースを参考にしたという開閉式の本体に、液晶スクリーンが2枚になった斬新なスタイル、マルチスクリーンシリーズです。
 しかも価格は従来と同じ6,000円。これを初めて見た時は衝撃でした。さすが任天堂、斬新すぎます。外国の方が踊りながらゲームしてて、スクリーンが2枚で楽しさ3倍!というCMを見た当時の子どもたちは驚愕したようです。
 このマルチスクリーンシリーズからは、あのビッグタイトル、ドンキーコングマリオブラザーズもこの後に登場しますからお楽しみに。
 さて、記念すべきマルチの第1弾タイトルは、今回ご紹介するオイルパニックです。今回の舞台はガソリンスタンド。いやー、危険な香りがプンプンいたします。


☆ たった3滴で満タンになるバケツ…

 ゲーム内容は、一見平和なガソリンスタンド。その事務所では、何と天井のオイル管から3か所もオイル漏れしています。主人公は上の画面でオイルをバケツに受けます。バケツはたった3滴で満タンになりますので、溢れる前に下の画面の事務所のベランダでドラム缶を持ってウロウロしている仲間にオイルを受けてもらいます。
 上画面の左右端は、下画面の事務所と繋がっていますので、オイルを漏らさないように、下の仲間が動くタイミングを見計らってオイルを移さないといけません。
 上画面でバケツから溢れさせたり、受けられなければ、事務所内が火事になりミスになります。
 また、下画面でドラム缶に流すのを漏らすと、下の給油待ちのおじさまとお姉さまがオイルまみれになってしまいミスになります。
 このゲームも表情が豊かですよ。オイル漏れという爆発を起こしかねない危険な状況なのに、主人公は歯を見せてにやけながらオイルを受けてますし、ドラム缶担ぎながらうろつく仲間もお調子こいてマイペースにウロウロしてます。オイルぶっかけられたお姉さまに至っては、牙をむいてキツネ目でハイジャンプしてキレてます。
 アラームキャラクターはポリスマン。火事になりそうなのにやっぱり助けてくれません。


☆ 上ミスと下ミスは別会計

 得点は、上画面でオイルを1滴受けるごとに1点。下画面のドラム缶にオイルを移せばオイルの量に応じて1・2・5点。バケツ満タンで移せばボーナスの5点が入ります。しかし、粘りすぎるとウロウロするドラム缶野郎とのタイミングが合わず、火事になってしまいます。
 得点制度は、若干の変更がありました。最高得点はワイドスクリーン前期までと同じ999点に戻りまして、ミスクリアも300点の1回のみになりました。やっぱり9999点は物理的に不可能でしたから、良かった良かった。
 ノーミスで300点に達するとチャンスタイムですが、ここまでノーミスで達するのがなかなか難しい。チャンスタイムにはドラム缶に入れた時の点数が2倍+ドラム缶野郎が2人になってウロウロしなくなります。しかし、チャンスタイムはわずか20-30秒。得点稼ごうとして急いでドラム缶に流し入れようとした瞬間に、チャンスタイムが終了してお姉さまにガソリンかけちゃうというパターンもしばしばです。
 このゲームの特筆すべき点は、上画面のミスと下画面のミスはそれぞれ別にカウントされることでしょう。
 上画面か下画面のどちらかで3ミスにならないと、ゲームオーバーにはなりません。つまり、上で2回ミスになって、下で2回オイルまみれにさせてもゲームオーバーにはなりません。逆に、上のミスが無くても下で3回ミスになるとゲームオーバーになります。なので、厳密にはポパイやミッキーマウスで導入された半ミスではないということになります。


☆ 2画面を駆使する名作だが…

 このゲームがすごいのは、2画面を常に見比べながらプレイする点にあります。マルチスクリーンシリーズには、別に2画面でなくても良かったのではないのかな、というゲームが多い中、このゲームに関しては2画面必須です。
 名作であるはずの本作でしたが、残念ながら次作ドンキーコングの陰にすっかり隠れてしまいました。もちろん、ワイド後期作品よりもはるかに売れたでしょうし、私の周りでも持ってる人いましたよ。でも、当時はやっぱり隣のトモオちゃんが持ってたドンキーコングの方が面白かったなぁ。オイルパニックも4軒隣のリョウくんに何度か借りたけど、あんまり面白いと思いませんでした。今やるとオイルパニックの方が好きなんですけどね。


☆ DSでやるとオイルパニックそのまま

 この本体、どうやら焼けやすいらしく、外が黄ばんだ本体ばかりでなかなかきれいな白色の本体を保った中古品を見かけません。中古品は数多く出回っているので、手に入れるのは容易なんですが…
 このゲーム、クラブニンテンドーの景品である非売品DSソフト「GAME&WATCH コレクション」に忠実に再現されていますので、実物が無くてもDSで楽しめます。しかも、白いDS本体でプレイすると、オイルパニックそのままです。このソフトには、次作ドンキーコングと、マルチスクリーン4作目のグリーンハウスも収録されています。いやー、液晶技術の進歩はすごい!