どこでもGAME&WATCH ~ゲームウオッチ全機種紹介~

日本で発売された任天堂「ゲームウオッチ」をご紹介いたします

【第19作】 DK-52 ドンキーコング

発売日 昭和57(1982)年6月3日
マルチスクリーンシリーズ
本体色 オレンジ
発売価格 6,000円
2012年現在の中古品参考価格 4,000円
(中程度、本体のみ)

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最多売上タイトル登場!

 ゲームウオッチに番付表があるとすれば、多くの方が文句なしに東の横綱に推すであろうビッグタイトル、ドンキーコング
 売上でもゲーム内容でも、文句なしに素晴らしいのは言うまでもありません。そしてオイルパニックに続く2枚の液晶と、このゲームで初めてお目見えした十字キー。今のDSにつながるすべてのコントローラーの基本形はここで完成したのです。


マリオじゃなく救助マン(人)だから!

 ゲーム内容についても有名なところですが、アーケード版やファミコン版とは少々異なるのでここで少し解説します。
 レディ(ピーチ姫ではない)をコングにさらわれました。勇敢な一人の男が救助に向かいます。男の名は救助マン(人)。マリオでもルイージでもなく、救助マン(人)です。かなり違和感ありますが、そんなことはいいんです。ゲームが面白いんですから。

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 さて、そんな救助マン(人)ですが、コングがさらったレディを人質にビル建設現場に逃げ込みました。建設現場と言えばヘルメットを思い出しますね。コングは最上階からバケツやペンチ…ではなくて、樽をいっぱい落としてきます。
 樽をジャンプして、動く鉄骨をかわし、クレーンを操ってワイヤーに飛び移り、コングを支える足場を崩しましょう。4回支えを外せばコングの足場は崩れ、見事クリアです。ちなみにレディはハートマークいっぱい出して感激するものの、助けたのに降りてきません。そんでまたコングに捕まります。おいおい。
 なお、アラームキャラクターは続編で主人公となるジュニア…ではなく、アラームミニコングです。どう見てもジュニアなんだけどなぁ。


得点は複雑だが面白い

 得点はかなり複雑です。
① 樽を最下段でジャンプするごとに1点
② 樽を2段目でジャンプするごとに2点
③ クレーンに飛び移り支えを外すごとにかかった時間に応じて5-20点
④ コングの足場を崩せばボーナス点20点
です。
 ミスパターンも多いです。樽に当たる、動く鉄骨に頭をぶつけたり当たる、クレーンにジャンプできず落ちる等、これらすべて救助マンが1人減ってミスとなります。
 もちろん、ミスクリアも300点で設定されていますが、今回のミスクリアはオールクリアではありません。救助マンが1人増えるだけです。300点でミスがなければチャンスタイムになり、次にミスをするまで得点が2倍になります。
 得点やミス設定がこれまでに複雑ながら、得点も入りやすく、ワンパターンではないことから非常に面白く感じることと思います。


大発明!十字キー

 このゲームは誰が何と言おうと十字キーに尽きます。
 今のゲームでは当然になっている、左側に十字キー。世界ではじめて本作で採用されました。このコントローラーを見た時にはすげー!と思いましたよ。一目でそのキーが主人公を上下左右に操作するものだとわかりましたから。
 このゲームの大ヒットの裏には、ゲーム内容の他にも、現在では当たり前になっているこうした工夫も少なからずあったのだろうと思います。


現在でもプレイ可能な名作

 このゲームも、オイルパニックの項でご説明した非売品のDSソフト「GAME&WATCH コレクション」に収録されています。
 当時の大ヒット作品を気軽にDSで楽しめます。
 なお、大ヒット機ゆえに中古品もかなりたくさん流通しており、手頃な値段で実物を入手することが可能です。ただ、ライオンの項でご説明したように、なかなかきれいな本体を見かけないのが残念なところです。