どこでもGAME&WATCH ~ゲームウオッチ全機種紹介~

日本で発売された任天堂「ゲームウオッチ」をご紹介いたします

【第2作】 FL-02 フラッグマン

発売日 昭和55(1980)年6月5日
シルバーシリーズ
本体色 ライトオレンジ
発売価格 5,800円
2012年現在の中古品参考価格 30,000円
(中程度、本体のみ)

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☆ 不遇の名作、フラッグマン

 ゲームウオッチ第2弾として発売された、オレンジボディのフラッグマン。前作のやたら手の長い主人公から、ちょっとメタボなシマシマ野郎になりました。帽子をかぶったこのシマシマ野郎、数字を書いた旗を上げ下げするだけでなく、足の裏まで見せて数字をアピールしてきます。そう、このフラッグマンは数字上げゲームです。
 数字を上げ下げするゲームとだけ聞けば、それ、楽しいの?と思う方が多いのかもしれませんね。そうなんです、このゲームは全く売れませんでした。説明書の裏ページにある他のゲーム紹介でもフラッグマンは早々消されていたはずです。
 そのため、現在ではこのフラッグマン、大変なプレミアがついています。中古品でも三万は下らず、箱・説明書つきだと五万円以上になるレアものです。


☆ ただの数字上げ下げゲームではない

 ゲームウオッチは、GAME A=かんたん、GAME B=難しい、というのが定石ですが、このフラッグマンは違います。GAME A=記憶力挑戦ゲーム、GAME B=早押し挑戦ゲームと、2種類の異なるゲームが楽しめます。
 また、本作より3ミス制が導入されたため、前作のような1回ミスしただけで即ゲームオーバーなどということはなくなりました
 ゲームの種類も選べて、ゲームバランスも考慮された本作でしたが、陽の目を見なかったのは非常に残念でなりません。


☆ GAME Aはイカサマ可能

 GAME Aの記憶力挑戦ゲームですが、シマシマが挙げた数字と同じ数字のボタンを押していくゲームです。1問クリアごとに押す数字が増えていきますので、最高得点の99点まで行くと…99個の数字を順番に押していかなくてはなりません。
 しかし、数字は前の問題の数字に1つずつ追加されていくだけですので、実はメモしていけば簡単に最高得点を獲得できます。
例) 1問目 1
   2問目 1→3
   3問目 1→3→4
私はGAME A、どんなにがんばっても30問が限界です。しかし、ある人はメロディで覚えたらもう少し行けると言ってました。そうなんです、このゲームの4つのボタンは数字だけではなく、それぞれ違う音が鳴るのです。なので、シマシマが挙げる時に鳴る音の順番を覚えておけば、あとはピアノのように4つのボタンを押せばいい…と言うのですが、私には無理です。絶対音感をお持ちの方、いかがですか?


☆ GAME Bは0.216秒の超早押しドン!

 GAME Bは早押しゲームですが、これが厄介なぐらい熱いゲームです。左側に表示されたものと同じ数字を早押しで押すのですが、数字を間違えたり制限時間内に押さないとミスとなります。
 1問目あたりは1秒以上あった制限タイムが、60問を過ぎた辺りからは0.216秒かの早押し名人、高橋名人ばりの早押しです。
 ミスをすると、ピリリリ言うブザーに合わせてシマシマが手足を挙げて小馬鹿にしてきます(私の偏見です)。落ち着きながらも素早い反応が必要な、とても熱くなれるゲームです。
 最高得点の99点に達すると、栄光のファンファーレとともにプレイヤーの栄冠を讃えられます。


☆ 細かな技が心憎い名作

 このように大変熱くなれるGAME Bですが、実はボタンを押しっぱなしにすると、その間だけゲームが止まって休憩ができます。落ち着いて最高得点を目指すためには必須の技です。
 この他、ゲームオーバーになったらシマシマを自由に操作できたり、ゲームオーバー後、時計表示になるまでに右端の5段のバーが1分ごとに1つ減っていくなど、細かな技が散りばめられている名作なのです。
 実物を入手するにはなかなか難しいフラッグマンですが、実はDSiウェアで配信されているため、当時のままプレイできます(※注)。ゲームウオッチでは陽の目を見なかったフラッグマンが、今ではまさかDSでできるなんて。シマシマもさぞかし喜んでることでしょう。

 

※注 ニンテンドーDSiウェアを含むニンテンドーDSiショップは平成29(2017)年3月にサービスを終了しています。